新築・リノベの際に、注意しておきたいのが、室内ドアのサイズです。
尺寸であれば、図面上、900mm程度のドア幅があるように見えますが、実際のサイズは、それよりも、はるかに小さくなります。
ドアを取り付けるには、枠が必要ですし、開き角度によっては、もっと狭くなることもあるでしょう。
もし事前に、有効開口寸法を確認しておかないと、大きな家具や、冷蔵庫、洗濯機などが運び入れられないという事態も起こりえます。
そうならないためにも、ドアの図面を確認しておく、建築会社に運び入れたい荷物の大きさを伝えておくなどの対処が必要です。
一般的な室内ドアのサイズ
尺モジュールの場合、柱の芯と芯の間隔が約910mmに設定されています。
柱の太さが一般的な105mm角であれば、柱から柱の隙間は、805mmとなるわけです。
これに、石膏ボードの厚さを片側12.5mm、両側で25mmとすれば、約780mmまで狭まってきます。これが尺モジュールの廊下幅だと思ってください。
ドアの場合は、これにドア枠などが入りますから、当然、ドア幅は、さらに狭まります。
そのうえ、荷物を運びこむには、ドアの厚さも邪魔になります。
これを差し引くと、620mm~660mm程度の有効開口寸法になってしまうわけです。
図面上のドアの大きさは、900mm近くあるように見えますが、これが実情なのです。
メーターモジュールの場合は、尺寸よりも90mm広い1mがモジュールとなるので、ドア幅も同様に広くなります。
尺モジュールとメーターモジュールの違いが分からない方は下の記事も参考にしてみてください。
冷蔵庫・洗濯機の大きさは?
では、実際に、そのドアで入る家電の大きさとはどのようなものでしょうか?
例えば、冷蔵庫の場合、3人暮らしでは、380〜430Lが適当なサイズであるとされています。
380〜430Lの冷蔵庫の横幅は、600mm~685mmとなり、大きいサイズだとすでに入りません。
これが、4人暮らしとなると、450〜500Lの容量が必要です。
450〜500Lの冷蔵庫の横幅は、650mm~685mmとなり、ドアからの運び込みは無理なサイズです。稀に600mm幅のものもありますが、選択肢は少なくなります。
一般的に、搬入時は最低6㎝程度の余力が必要だとされています。ドアの通過時だけギリギリで攻めるにしても、もちろんドア幅以上のものは入らないので注意が必要です。
1階の場合は、掃き出し窓から搬入する手段もありますが、キッチンまでにドアがあったらアウトになります。
合わせて、マンションでは、エレベーターの大きさにも注意しておきましょう。
大きさを知っておかないといけないモノ
冷蔵庫・洗濯機以外にも、ドアを通過できないかもしれないモノがあります。
見落としがちなので以下のモノもチェックしておきましょう。
- →背もたれが分解できないソファー
- →分解できないベッド
- →TVボード・オーディオラック
- →タンス
- →分解できない机・ドレッサー
など、ドアの大きさを考慮して見回すと、心配なものがでてくるはずです。
これ入らないの?がないように、サイズを把握しておきましょう。
引き戸にするという選択肢もある
もし、開き戸の開口幅に不安がある場合は、引き戸にするという選択肢もあります。
開き戸と比較して、有効開口を広くとれるようになりますし、ドアの厚みやドアハンドルが邪魔する事もありません。搬入経路も広く確保できます。
ただ、インセットの場合は構造壁には不向きなこと、アウトセットの場合は、廊下幅が狭くなるなどのデメリットもあります。
もしも、運びたいものが入らなかったらどうする?
ドアを通過しての搬入が無理で、2階以上の場合は、吊り上げをして、窓から運び入れる方法もあります。
ただ、この場合も同様に吊り上げ可能は窓から、キッチンまでにドアがあったら、そこは通れません。
また、吊り上げには、人力で行う場合と、クレーンなどの特殊機械を使用する場合があり、クレーンなどを使用するには、機械が入り込めるスペースも必須となります。
吊り上げ費用は、人力の場合は1.5万~3万程度。クレーンの場合は、3万~7万程度が相場とされています。
どちらにせよ、モノを運びこむだけで、相当な費用がかかってしまいます。
まとめ
室内ドアの大きさは、ドアメーカーによって若干の差はありますが、尺モジュールの家では、620mm~660mm程度しか確保できません。
新築するにしても、リノベするにしても、それを考慮した上で間取りやドア・窓の大きさを考える事が必要です。
大きなものを運び入れる必要がある場合、図面上で想像して、通れるかどうかを良く確認しておきましょう。
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